開催四日目。午前中は上映会や論文発表を見学する為に部屋から部屋へと渡り歩き、午後は、火曜日(開催三日目)から始まったExhibitionを見て回りました。
WacomやCanonといった馴染みのある会社や、見たことも聞いたこともない会社によるブースが大量に展開されていました。まるでオシャレな縁日です。
無料配布のパンフレットやCD、Tシャツやポスターなどを集めつつ、様々な技術を体験することができ、非常に楽しい時間を過ごすことができました。
Exhibitionで自分が一番衝撃を受けたのが、Canonのブースで発表されていた『複合現実感技術』というものです。
有名なのは、機械(カメラ)を通して特定のマークを見るとそのマーク上に立体像が浮かび上がって見える、というヤツですね。
既にご存じの方も多いかと思います。
この技術はCanonだけでなく、Exbition内の他のブースやTheStudioのコーナーでも発表されていました。
では、何故Canonの技術だけをとりあげるかというと、答えは簡単。それらのものとは一味も二味も違っていたからです。
まず、Canonのブース中央には恐竜の骨が設置されており、その周囲を取り囲むように大量のマークが貼られていました。
大量のマークから草木でも生えるのだろうと予想して機械をかぶったところ、何故かマークの付いていない恐竜の骨に「肉(立体映像)」がつき始めました。
首を振っても、肉が恐竜の骨からズレたりするようなことはありません。ちゃんと骨に肉がついているのです。
肉がつき皮がつき、恐竜の全身が完成するのと同じタイミングで目の前全てが立体映像となり、それを「景色」として体験することができました。
説明によると、大量のマークは「立体映像を表示させる位置を示す印」ではなく、「機械の位置(視聴者の立ち位置)を計算するため印」とのことです。
また、canonは少し離れた別の場所でもブースを展開しており、そこでも『複合現実感技術』を発表していました。
ただしこちらには先のブースにあったマークは一枚も貼られておらず、設置されているのはひょろっと設置された一本のセンサーのみ。
このタイプだと景色を表示するには厳しいのか、映し出されたのは軽快な舞を披露する恐竜が三匹のみ。
体験終了後、「現在は発表段階ですが、ゆくゆくは一般消費者をターゲットに販売したい」と将来のビジョンを語っていただきました。
話題の技術であるだけあって、立体映像関連の展示を行っているブースが非常に多かったと記憶しています。
そんな中で、canon程ではないにしろ興味を惹かれたのが「コントローラーとメガネで仮想世界を飛行体験できる」というコーナーです。
隣や向かいのブースで発表されている美しいグラフィックと比べてみると、そのコーナーの大画面に表示されている映像は非常に荒く、
じっと目を凝らしてみれば「丸」の集まりでしかありませんでした。
しかし、コントローラーの操作(自分は荷物を離さなかったので操作してもらいました)に応じてググッと近づいてくる地面や床には他のブースにはない「臨場感」がありました。
さて、明日でSIGGRAPH2010も終了です。最終日は展示品や論文ポスターをもう一度見直してみようかと考えているところです。
OYAMA