6. 感想、総評
今回のレビューでは、主にZSphereによるモデリング、ZBrushによるディティールの作成方法をレビューしていきました。
以下に今回感じた利点、欠点をまとめてみました。
利点
- ZSphereは従来の制作方法より早くモデリングができる
- Normal Mapが簡単に作成可能
問題点
- Displacement Mapが使いづらい
- ZSphereで「ねじれ」が発生する
では利点、欠点それぞれについて細かく説明していきましょう。
利点
1. ZSphereは、従来の制作方法よりも早くモデリングができる。
ZBrushでモデリングを行う場合、どの方法においても通常のモデリングより作業が早くなります。今回レビューしたZSphereによるオブジェクト作成は、前回レビューしたペイントツールよりも早く、確実なオブジェクト制作を可能にしてくれました。また最終的に、思った通りのポリゴン数でオブジェクトをエクスポートできるため、他の3DCGソフトとの相性も抜群です。ディテール追加も、ZSphereで新規クリックでZSphereを作成すれば良いだけで非常に簡単でした。ZSphereで作成したオブジェクトは、最終的にペイントツールと併せて使用できるので非常に強力なツールだと思いました。
2 Normal Mapが簡単に作成可能
従来の3DCGソフトではNormal Map作成の場合、以下の様な作業が必要になります。
- オブジェクトのディテールの作成
- 差分を計算するオブジェクトのインポート、位置合わせ
- Normal Mapを作成する場合の細かな設定
しかしZBrushは、その様な難しい設定が一切無く、非常に簡単にNormal Mapを作成する事ができました。また作成されたNormal
Mapも、一般的な3DCGソフトで作成されるNormal Mapよりも精度が高く、非常に良い出来です。プラグイン「ZMapper」も、Mayaや3DS
Maxといったソフト用にプリセットを用意しているので、初心者でも簡単にNormal Mapを作成する事が可能です。
問題点
1. Displacement Mapが使いづらい
個人的な感想ですが、やはりDisplacement Mapが少々使いづらい感じがします。Displacement Map作成までは非常に簡単ですが、いざそれを他のソフトで扱う場合、オブジェクトのポリゴンを上手に割り振らなければならないでしょう。また数値の設定が非常にシビアなので調整が難しいかもしれません。16ビットグレースケール画像出力は評価できますが、編集等が難しい気がしました。
2. ZSphereで「ねじれ」が発生する
ZSphereでの「ねじれ」発生は非常に残念です。またギズモが表示され無いせいもあり、ねじれの修正もこれといった方法が無いのが多少気になりました。ただねじれの問題を除けば、素晴らしいモデリング方式だと思います。
次回は...
次回のレビュー「ZBrush Review Part3」では、他の3DCGソフトとの連携についてレビューしていきます。