RealFlow 4.3 Review (5)

無題ドキュメント

●総評


今回のレビューで私が感じた利点、欠点をまとめて見ました。

欠点に至っては私の勉強不足もありますので個人的な感想として見ていただけると幸いです。

利点

1 シミュレーションが早い。

2 設定が他の3DCGソフトに比べ圧倒的に楽である。

3 デフォルトの設定でも流体シミュレーションになっている。

4 他の3DCGのソフトとの連携がきちんと取れている。

5 シミューレーションを途中で止められまた再開もでき、かつその状態を保存できる。

欠点

1 フォトリアルな水を表現する場合、数値の設定が難しい。

2 基本的な操作が簡単な分、応用をしないと面白いものを作るのが難しいと思われる。

3 シミュレーションをするだけのソフトなのでそれ以外のことが出来ない。

 

またこれをもって今回のレビューを終わりたいと思います。

長々と読んでいただいてありがとうございました。


●利点


1 シミュレーションが早い

初めてRealFlowを触って、シミュレーションをしたときから感じていましたがシミュレーションの速度が速いです。

私のマシンは2年ぐらい前のものなのですが、それでも十分に早いです。

どのくらい早いというのかと、基本的なボックスを出してそれに水を当てるだけのシミュレーションならものの2分で終わりです。

また衝突が終わった後のいらないパーティクルや飛び散ってしまったパーティクルを消滅させてくれる「k volume」「k age」などのおかげで必要な範囲のシミュレーションだけをやってくれるのはありがたいです。

オブジェクトの衝突のパラーメータやシーンに発生させるパーティクルの量を上げていくと、シミュレーションの速度は格段に長くなりますが、それほどまでパラメータをいじる人はいないので大丈夫かと思います。

これぐらいのシミュレーションなら設定によりますが、2分程度で終わります。

 

2 設定が他の3DCGソフトに比べ圧倒的に楽である

一番初めのシミュレーションのページでも述べていたのですが、RealFlowでの特徴的な機能でもある「Global

link」「Exculusive link」のおかげでオブジェクトの設定が簡単になりました。

オブジェクトをシーンに加えただけで、シミュレーションが出来るというのは大きな利点だと思います。

またオブジェクトが欄に表示されているので、それぞれのオブジェクトやエミッターをいじるだけで即座に結果に出るというのは非常にありがたいです。

   

それぞれの欄です。とくにオブジェクトの設定を即座に調整できる「node Params」は便利でした。

 

3 デフォルトの設定でも流体シミュレーションになっている

シミュレーションをする際に、 ただ単にオブジェクトを作成しただけではうまくシミュレーションできないと私は思っていたのですが、RealFlowではそんなこともなく正常にシミュレーションできました。

デフォルトの値でもシミュレーションできるということは、その値が一定の目安になるということです。

ちなみに3ページ目の動画の水の設定はデフォルトです。

4 他の3DCGのソフトとの連携がきちんと取れている

3DCGソフトにおいて他のソフトとファイル連携をと言うのは以外に大変なことです。理由としては3DCGで扱っているファイル形式というのは結構特殊なものでそれぞれに互換性を持たせるというのは大変なことです。

RealFlowはその点、sdフォーマットによりきちんと管理されているので互換性がちゃんとあります。

またワークフロウがきちんとなりたっているので始めての人にもありがたいです。

5 シミューレーションを途中で止められまた再開もでき、かつその状態を保存できる

RealFlowではシミュレーションを途中でとめることができます。普通のソフトだと止めるだけでフリーズ気味になったりだとか、不安点になりますがRealFlowではすんなりとシミュレーションを止めることが出来ます。

また途中で止めたとしてもその後すぐにシミュレーションを再開することが出来ます。

私の場合、シミュレーションをしていたら途中でソフトが落ちてしまったのですが、シミュレーションの途中のログはきれいに残されていました。

そのおかげでシミュレーションに費やした3時間が無駄にならずにすみました。これは非常に嬉しかったです。

上の画像のようなシミュレーションを途中まで行っている場合でも、再生、シミュレーションの再開ができます。

 

●欠点

 

1 フォトリアルな水を表現する場合、数値の設定が非常に難しい

先ほどの利点で「デフォルトの設定でもちゃんとした流体シミュレーションとなっている」と述べたのですが、それでも完璧な「水」のようには流れてくれません。

理由としては水の粘性等、私達の知らないパラメータが多い。衝突するオブジェクトの摩擦係数などを正確に入力しなければならない。等です。

このあたりはプリセットとしてある程度用意してくれているとありがたかったです。

2 基本的な操作が簡単な分、応用をしないと面白いものを作るのがむずかしい

RealFlowをまったく知らない人にとっては流体シミュレーションというものが未知のものなのでちょっとした物でも感動するのですが、RealFlowを知っている人にとってはすぐにRealFlowを使ってるなと分ってしまいます。

また基本的に調整できるパラメータもそれほど多くないために、複雑にエミッターやデーモンを組み合わせないとRealFlowを使っている人にとって感動できるものを作るのは難しいと感じました。

3 シミュレーションをするだけのソフトなのでそれ以外のことが出来ない

RealFlowはシミュレートするだけのソフトなのでせっかくシミュレートした結果をレンダリングできません。また3DCGを持っているひとにとっても「水」のマテリアルというのは難しいものです。

せめてシミュレーションの結果を動画に残すすべと、水のマテリアルを用意しておいてくれると嬉しいものです。