今回は2回目となるRealFlowのレビューです。 RealFlowとは簡単に説明しますと流体&力学シミュレーション・ソフトウェアです。 RealFlow は Next Limit Technologies によって開発された、パーティクルに基づきフルイド、水面、リジッドボディ、ソフトボディ、ファイバーを取り扱う物理シミュレーションツールです。 全ての要素は物理的性質によってコントロールされ、衝撃、フォース、加速度などによる相互作用がシミュレートされます。 またRealFlowは3DCGソフト等のプラグインではなく、完全に独立したアプリケーションで、さまざまな3DCGソフト(3ds Max,Maya,XSIなど)に対応しています。 今回は最近バージョンアップが行われたRealFlow4.3のレビューを行いたいと思います。 |
●はじめに |
理由としては3DCG上でのシミュレーションというのは複雑であり、設定が難しい上にそれなりの知識がないとリアルな結果が得るのが難しく、また流体となると水滴を3DCGソフトでつくり、大量の物体をシミュレーションするとなると多大な時間がかかるからです。 今回は流体シミュレーションというものをはじめて行う者から見た目線、3DCGのソフトを普段から使っているものからの目線で「RealFlow4」レビューを行いたいと思います。 余談ですが著者はRealFlowを使用するのはこれが初めてであり、このレビューを書くためにはじめて使用しました。 今回のレビューに関しましてはソフトを使用した時間は合計で9時間程度です。 |
●目次 |
1 RealFlow4のインターフェイスの説明 2 流体シミュレーション 3Dオブジェクトの作成 RealFlowの3Dオブジェクトの読み込み フルイドシミュレーション 3 波のシミュレーション RealWaveの説明 RealWaveを使ってみる 4 感想、総評 |
1 RealFlow4のインターフェイス |
下の画像(図1-1)がRealFlow4の起動画面です。黒を基調としたおしゃれなインターフェイスです。 ぱっと見た感じ、画面上に表示されているアイコン(ボタン)の数が少ないような気がします。 RealFlowでのビューの操作方法はMayaと同じ(Alt+左クリックで回転、Alt+中クリックでパン、Alt+右クリックでズーム)です。
図 1-1 図1-2は画面の上のほうにあるツールバーです。3dsmaxと比べると明らかにボタンの数が少ないです。またRealFlowはメニューバーの中もすっきりとしています。
図 1-2 ここでそれぞれのボタン(アイコン)の説明させていただきますと、左の3つはファイルの管理用です。 セパレーターをはさんで次の4つはアイコンから連想できる通り、選択、移動、回転、拡大です。 その横にあるのはscaleといってオブジェクトの大きさ(xyz全部)を変えます。これをいじることによって瞬時にオブジェクトの大きさを均等に変えることが出来ます。 始めはあまり使わないと思っていましたが、実際にほかの3DCGソフトと連携するとオブジェクトの大きさをそろえるのにと大変重宝します。 真ん中の「Node List」と記載されているところはシーンに存在するものを選択するのに使用します。 その隣のものがRealFlowでのプリミティブのアイコンです。 左からリミッター(流体などを生成するもの)、デーモン(重力、風など)、オブジェクト(球体、ボックスなどの3Dオブジェクト) この3つはRealFlowを使用していく上で必ず使います。とくにデーモンは種類が多く、さまざまな設定が出来そうです。 次にコンストレイト(これにそってオブジェクトを動かします)、メッシュ(パーティクルにメッシュをかぶせます)、カメラ(RealFlow4から新たに追加されました)、RealWave(波)です。 セパレーターをはさんで、次の4つのボタンはRealFlow4.3から追加されました。失礼ですが詳しい効果はよくわからないのでここでは省略させていただきます。 図1-3は画面の図1-3の右側にあったものです。 1は「nodes」といってシーン上に存在する、ものをすべて表示します。このなかにあるものを消去すると3Dワークスペース上に存在するものを同時に消去されます。 2は「Exclusive link」といってシミュレーションから特定のものを除外したい、または複合して使いたいというときに使用します。 3は「Global link」といって単純にシミュレーションをしたいものが表示れされます。RealFlow上で何か(エミッター、デーモン、オブジェクトなど)を作成すると自動的にこの欄に追加されます。 これは非常に便利です。作った瞬間にシミュレーションの結果に即座に反応させられます。 4はオブジェクトのプロパティ(大きさ、向き、場所)などを表示します。またエミッターの場合は粘性、表面張力、などを設定できます。 図 1-3 見て分るとおり、基本的にRealFlowはシミュレーションをやるために特化しているので不必要なボタンがありません。また存在するボタンもアイコンから効果が容易に連想できます。 これによって初めてRealFlowを使う人にでも直感的に使用することが出来ます。 使うのが難しく、操作が複雑であるという3DCGソフト特有の概念を一掃してくれます。 さて次のページでは流体しミュレーション行う前に、RealFlowを使用して基本的なシミュレーションをやってみたいと思います。 |