SpaceNavigatorはLogitech子会社の3Dconnexionが販売する3Dナビゲーションデバイスです。この製品はLogitechとGoogleが共同開発したもので、Google EarthやGoogle SketchUpはもちろんのこと、その他数多くの3Dアプリケーションで使用することができます。ただ、今のところLightWaveには対応していないようです。
使い勝手のほうですが、やはりGoogle EarthやSketchUpでは使いやすくなっています(特にGoogle Earthで)。この他に、3ds Maxで使ってみましたが、これもなかなか使いやすいと思いました。
Control Panel
ここからはSpaceNavigatorの設定をすることができるControl Panelについて書いていこうと思います。
このControl Panelですが、どうやら3Dconnexion製品共通のもののようです(ヘルプ内に"SpacePilotのみという記述がありましたし、他の製品と一緒に製品特徴が載っていました)。
赤枠内に現在の設定の名前が表示されています(この場合は標準設定)。自分の好みの設定を名前を付けて保存すると、ここで簡単に呼び出せます。また、アプリケーションごとに3Dconnexionのインターフェイスを持っているものもあります(3ds maxなど)。
また、「速度」で全体の速度を設定し、「校正」でデバイスを再校正します。「速度」の初期値は、そのアプリケーションで素早く調整できるレベルが設定されています(画像では一番左になっていますが、特にアプリケーションを使用していないときの初期値は左から三番目になっています。)
「ズームの方向」は文字通り、ズームの方向の設定です。通常は右側が初期値に設定されています。(Google Earthでは左が初期設定です)。
「パン/ズーム」はパンおよびズームのオン・オフを切り替えて、モデルの回転(チルト/スピン/ロール)だけをできるように設定します。初期値はオンです。
「チルト/スピン/ロール」では、チルト、スピンおよびロールのオン・オフを切り替えて、パンおよびズームだけをできるようにします。初期値はオンです。
「ドミナント」をオンにすると、単一軸へのパンおよびズームを制限します。初期値はオフです。
「すべての軸を逆にする」では、現在の全ての軸を逆にしてくれます。
ヘルプの中に注意として『「パン/ズーム」と「チルト/スピン/ロール」を同時にオンにすることはできません。』と書かれていますが、初期設定ではどちらもオンになっています。
ここでは、SpaceNavigatorの側面にある2つのボタンについての設定ができます(見にくいですが、赤で囲んである部分がボタンになっています)。
上の画像にはボタンに設定できるコマンドの一部が表示されています。また、「カスタム機能」で新たにコマンドを追加することができます。
ここでは、コマンドを新たに追加する方法を説明します。「カスタム機能」をクリックすると、下のような表示が現れます。
新規をクリックし、マクロ名とユーザーマクを埋めます(ここではUndoを設定しています)。
あとは保存をするだけです。保存できれば、下のようになります。これでボタン設定のドロップダウンボックス内にUndoが追加されます。
詳細設定では、6つの軸を個別に設定できます。逆向きをオンにすることで任意の軸の方向を逆向きにできます。また、一部のアプリケーションでは初期設定で無効になっている軸もあります。
Demo
ここで3Dconnexionから提供される4つのデモについて説明します。
これは「Chicken Demo」です。鶏の頭とその下のバネ(?)を動かせます(基本的には頭を動かし、それに対応してバネが動くといった感じです。箱は動きません)。チルトとロールには反応しません。
これは「Cube 3D Demo」です。名前のとおり、3DのCubeをいじります。回転させたり移動したりできます。「Chicken Demo」と違い、反応しない軸はありません。「速度」の設定を上げすぎると視界外に飛んでいきます。
これは「Jet Demo」です。ジェット機のモデルを自由な角度から見ることができます。回転する際の基準となる中心はマウスで決めることができます(中心にしたい部分をクリックすれば設定できます。中心は緑色の矢印で表示されている部分です)。
これは「Puzzle Demo」です。SpaceNavigatorを使ってパズルを組むことができます。パーツを組み合わせて立方体を作ります。解き方が分かるまでは意外と難しいかもしれません(それ以上にSpaceNavigatorの操作に慣れるほうが難しいかもしれませんが)。
まとめ
今回紹介したSpaceNavigatorですが、実は「SpaceNavigator SE」と「SpaceNavigator PE」の2種類があります。SEは商用利用可能なプロフェッショナル・ユーザー向け、PEは非商用利用の個人・アカデミックユーザー向けです。ここで使わせてもらったSpaceNavigatorはSEのみですので、PEとどのような違いがあるのかなどは分かりません。値段はSEが19,800円、PEが9,980円です。PEはAmazon.co.jpで購入することができます。
このSpaceNavigatorは慣れればとても利用価値の高いものだと思います。しかし、慣れるのにはそれなりに時間がかかると思われます。また、現在のところ対応OSがWindows XP SP2の32ビット版および64ビット版だけのようですが、2007年の早いうちにOS Xにも対応するようです(3DconnexionのSUPPORT->Forum->feed back->OS and Application Supportに載っています)。Macユーザーの方も購入を検討してみてはいかがでしょうか。
2007年1月8日にMac OS X用のドライバー(ベータ版)が3Dconnexion.comにてダウンロードできるようになりました。現在利用できるアプリケーションは、Sketchup 6とMaya 6,Maya 7,それからForm Z 6.1だそうです。