本日はSIGGRAPH最終日ということもあり展示品はすでに片付けに入っています。
ですので、Character Animation 2のテクニカルペーパーに参加してきました。
・Synchronized Multi-character Motion Editing
移動ポイントを設定してキャラクター群がそれにあわせてスムーズに動きを変更できるようにした論文です。
開始点と終了店をなめらかな線でつなぎ、そのラインを変形させ、そのライン上をキャラクターを進ませ、線方向の角度にキャラクターを向けることでこの方法を実現しています。
また、体の向きを変化させる角度を元の大きさと変えないようにすることで、移動経路を引き伸ばしたときでもアニメーションに大きな異なりを生じさせないように作られています。
非常にすばやく複数のキャラクターの移動経路を設定できるので、たとえば複数人のダンスモーションの設定にも非常に有用のようです。
今回は2Dのパス上だけの動きしかできず、将来的には3Dのパス上を動かしたり、非線形のパス上も動かしてみたいとのこと。
今後モーションエディタソフトなどに組み込まれ、非常にユーザビリティの高いアプリケーションとなりそうですね。
・Momentum Control for Balance
モーションキャプチャを行っただけのデータのみでは物理的にずれている場合があります。(キャプチャ時の位置あわせのズレなど)
この論文は体の重心モーメントから体のバランスを導き出しより正確なモーションを再生することにあります。
体に受けた力を重心モーメントに与え、それを体全体に適用することでより自然な動きをシミュレーションすることも可能です。
具体的な利用法としてロボット利用などがあげられていました。
・Contact-Aware Nonlinear Control of Dynamic Characters
こちらもキャラクターアニメーションシミュレーションがメインです。
物理シミュレーションのみではアニメーションをうまくシミュレートできないため、前状態からのトラッキングエラーやコントロールを推定するという手法がとられています。
プレゼンテーション中でカルマンフィルターのような式が提示されていましたので、前状態推定と事後推定をモーションキャプチャデータを用いて推定していくようです。
ただし推定値というのものは誤った場合に本当に誤っているのかどうかを検証する方法が難しい(もしくは無い)ため、モデルが倒れていると推定された場合、立ち状態には復帰できない可能性があります。
今回のデモでもそういうシーンがありました。今後どのような手法で改善していくのか非常に期待がもてます。
今回のSIGGRAPHはこれにて終了になります。
それではまた来年のSIGGRAPHにてお会いしましょう。それでは。
担当: 松浦