SIGGRAPH 2009 Report 8/5(Day3) "Game Paper"

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今回はゲーム関係の話題を中心に研究を行っているGame Paperに参加してきました。

任天堂Wii, Nintendo-DSの好調な売り上げもあってかヒューマンインターフェースに非常に重点を置いた
論文が多く見られました。
それらの論文と特に面白かったものの詳細についてレポートしたいと思います。

・Presence-Enhancing Real Walking User Interface for First-Person Video Game
ヘッドマウントディスプレイ、ヘッドトラッキングを利用した一人称視点のバーチャルリアリティゲームの
開発案とその検証を行っています。
また狭い空間をどのようにすれば利用可能なのかということが非常に面白いポイントです。

この論文によるとバーチャルリアリティにより自然に入り込むためには以下のものが重要であると
述べられています。

H1.I am in virtual environment
H2.I am in the real environment

これらのほかに現実と仮想世界とをつなぐ1ステップ

transitional environment

が重要であるとされています。
このトランジショナル環境というものは現実をコピーした空間です。
これが何故重要視されてくるのかをご説明します。

・現実と仮想現実をつなぐ、「暫定現実」

皆さんはPortalというゲームをご存知ですか?
http://www.youtube.com/watch?v=Wb7aDZeO_MQ

Portalというゲームはポータルガンという空間と空間をつなげる能力を持った銃を駆使して、さまざまな障害
を乗り越えて進むというFPSパズルアクションゲームです。
ヘッドマウントディスプレイを装着して部屋の中で実際に歩きながらこのゲームをプレイしていると創造して
みてください。
ゲーム内の仮想現実では壁にポータルを作り出して、その部分をくぐり、隣の部屋に進入することができます。
しかし現実の壁に穴は開いておらず、人はそこにぶつかってしまうでしょう。

どうすればこの問題を解決できるでしょうか?

この論文ではこの問題を解決するとともに、その検証を行っています。
1.あなたは目をつぶってまっすぐ歩けますか?
近距離ならばまっすぐ目標地点にたどり着けるかもしれませんが、10メートル、20メートル先ではどうでしょうか?
答えはNoでしょう。
さらに
2.目から入ってくる情報が直線上を動いていると錯覚させるものであった場合
目をつぶっていても、まっすぐ歩けるかどうかは難しいのに、さらに目から入ってくる情報までゆがんでいます。
この方法をうまく利用すると

実際には曲がって進んでいるが、まっすぐ歩いていると錯覚させる

ことが可能となるという仕組みです。

ここで更に現実感を持たせるために先ほどの暫定現実が有効となってきます。
つまり、現実空間のコピー映像ととポータルの位置を調整して、あたかもまっすぐ歩いてぶつかるはずの壁に
穴が開いて、仮想空間に入り込んだ錯覚を起こさせることが可能となるのです。

この手法を使えば、ある程度の空間内で無限に広がるマップを考えることも可能でしょう。
アミューズメント施設などでは非常に面白い手法かもしれません。

担当:松浦