さてさて、ついに開催されましたSIGGRAPH2009。初日はEXPOがなく少し物足りない感じがしましたが、シアターやトーク、大型展示など見応えのあるものがそろっています。
初回のレポートでは今年のSIGGRAPHの会場の様子を、たくさんの写真とともにお伝えしようと思います。
今年の会場はこんな感じです。
レジストレーションはスムーズに行うことができましたが、グッズ販売コーナーにてTシャツの数量が違っていたという問題がありました。
ただアメリカではよくあることらしく、すんなり不足分をもらうことができました。 皆さんSIIGRAPHにお越しの際は、配布物の中身をちゃんとチェックするようにしましょう。
シアタールーム
<GEEK BAR VOODOO LOUNGE>
こちらはGEEKBAR(飲み物がサービスされる展示)のVOODOO LOUNGEで展示されていたロボットです。
このロボットはなんと通行人にフレンドリーに話しかけて会話までこなしており、もしやすごいAIが搭載されているトーキングロボットなのか?!と思いきや実は中の人が存在していてマイクを通して話しかけているだけなのでした。
<FJORG>
続いては”鉄人アニメーター・コンペティション”とも呼ばれている、ウォルト・ディズニーが行っているFJORGです。
ここでは数グループのCGアニメーターチームが制限時間内にどれだけの素晴らしいCGアニメーションを作成することができるかということを競っています。中には飲み物やフルーツ、楽器演奏など様々な誘惑が待ち構えています。
ちなみにこのスペースの呼び込みと思われる人たちは皆一様にバイキングヘルメットをかぶり、会場内で雄たけびをあげて練りあるっていました。
以下の二つは室内での撮影が困難だったなため文章のみでお伝えします。
<Computer Animation Festival –Production Session- >
SIGGRAPHの目玉の一つであるCAF。初日のProduction Sessionではブラッド・ピットのCGによる七変化で世界を驚かせた「ベンジャミン・バトン」のCGパートについての講演が行われていました。
本作で使われたフェイシャル・モーションキャプチャは従来の赤外線でマーカーを読み取るものと違い、マーカーレスで顔全体の動きをリアルタイムでキャプチャする方法をとっています。従来ではマーカーは100個程度しか付けられなかったのに対し、この方法では従来のマーカー1000個分ほどのキャプチャ精度が望めることになります。また、CGで制作した顔の映像へのはめ込みや、よりリアルに見せるためにHDRIを使ってのIBRなどの様々な技術がこの映画の中では使われているそうです。そして、これらの技術が合わさることによってあたかも本物のようなCGになります。
<Computer Animation Festival –Afternoon Theater->
CAFの午後の部は毎度おなじみ世界から選りすぐりのCGアニメーションを集めた上映会が行われました。初日はVisual Music1ということで、単純に映像やストーリーを楽しめるものが多く上映されました。ジャンルもギャグ、シリアス、ホラー、グロと様々なものが集められています。感想としては例年よりもより面白さを高められている作品が多く、どのアニメーションも外れ無しといった感じです。初日でこれだけ面白いと、後日上映される他の作品への期待度も上がります。
※会場はそこそこ広いので適度に休憩をはさみましょう
※タイムスケジュールの確認も忘れずに
EXPO会場
EXPOの多くは二日目からの展示なので、初日はまだ会場の設営をやっている最中でした。
今年も各展示企業でディスプレイデザインに個性が見られ、いったいどんなものが見られるのだろうと今から楽しみです。
<Spacetime Sutudent Gallery>
こちらは初日でもEXPO会場の方で展示を行っていました。
中では学生が制作したCG作品が多く展示されています。
一番興味を持ったのがこちらの作品で、これはディスプレイ上に置かれたモノの影を机の下のセンサーで感知して、投影されたCG映像をグラフィカルに変化させるというものです。
変化の仕方が何かの生物の様にも見え、実際に動かしてさわってみてとても面白く感じた作品でした。
その他展示
<パネル展示>
二階では数十点にも及ぶパネルでの技術、作品展示が行われていました。
この展示はバリエーション豊かで量も多いので、これらを眺めているだけでも結構な時間がつぶせてしまいます。
ちなみに日本人の作成したものも何点かありました。
<デザイン展示>
こちらの展示ではCGのポスターやTシャツ、建築モデルのデザインや、タッチパネルを使った地図表示などの作品が展示されていました。
中でも、タッチパネルでの地図表示については拡大縮小はもちろん、年代別のレイヤー分けや詳細表示などの操作が直観的に行うことができ、まるで映画「マイノリティ・リポート」のような気分を味わうことができました。(残念ながらiPhoneのようなマルチタッチには対応していないようでしたが)
さてさて、皆さんこれで今年のSIGGRAPHのだいたいの様子は伝わったでしょうか? 次回からは各種論文の発表や各企業のEXPOの様子などの専門的なレポートが続くと思われますので、そちらの方もご期待ください。ではまた。
AMBO