ZBrush Review part1(7)

7. ZBrush3.1から追加された機能

ここでは3.1のアップグレード時に新たに追加された機能及びまた個人的に使用頻度が高く、非常に便利だと感じた機能についてもレビューしてみましょう。

  1. キャンバスに奥行、パースペクティブをつけることができる
  2. 新たに付加されたブラシ、ブラシパレットの管理
  3. 複数のオブジェクトを作業できるサブツール

この他にも魅力的な機能は沢山ありますが、今回はこの3点について注目してみましょう。

キャンバスに奥行、パースペクティブを付けることができる

ZBrush2のキャンバスは、パースの表現されないビューでした。確かにそれでもスカルプトやモデリングには問題はありませんが、人間の目には視野角がありパースが存在しないと、実際の感覚と違う部分が生じ、少々作業効率が落ちてしまいます。その点、ZBrush3.1では自分の好みの視野角を設定でき、キャンバスを使用し、モデリングの段階で最終的なイメージにより近づけることが可能となっています。このパースをつける機能は、好みもあるでしょうが、個人的にはの機能は非常に便利だと思います。


Figure4-1 パースをつけたオブジェクト


Figure4-2 パースのないオブジェクト

上の画像(Figure4-1、4-2)を見ると分かりますが、左の画像はパースの存在するオブジェクトであり、右がパースの存在しないオブジェクトです。ここでいう「パース」とは、「物体が奥に行くほど小さくなり、手前に来るものほど大きくなる」という現象のことです。更にZBrushでは、このパースを好みの視野角に設定できます。個人的には人間の視野角に近い45度で使用しています。これにより違和感無く作業を行えます。

キャンバスにパースを付ける設定は非常に簡単で、Tool -> Draw(赤枠で囲った場所上部)を選択し、Perspectiveボタンを選択するだけです。


Figure 4-3 パースペクティブの設定

また、FocalLengthの値を設定することにより、好みの視野角にすることも可能です。キャンバスの描画処理は、この機能を、使用してもしなくても処理速度はあまり変わりませんので、作業もスムーズに行えるので使用する事を強くお勧めします。

新たに追加されたブラシ、ブラシパレットの管理

「ペイントツールの概要」で説明した様に、ZBrushはオブジェクトを編集する際に通常の3DCGソフトのギズモでは無く、「ペイントブラシ」を使用します。

ZBrush3.1では、このペイントブラシの種類が大幅に増えています。通常、この様なツールは数が増えるほど不要なものも増えるため、使いづらくなる場合もありますが、ZBrushインターフェイスでは、そうならない様うまく設計されています。


Figure4-4 ブラシパレット

上の画像(Figure4-4)で、ZBrush3.1のブラシパレットで、そのストロークが一体どのような表現なのかが、グラフィック表示されているため一目瞭然です。ブラシパレットは、3ページで説明したキャンバス右のエリアから即座にアクセスでき、右クリックで表示されるメニューからもアクセス可能です。

しかしブラシパレットはブラシの数が多く画面を占有するエリアが大きいため、全種類のブラシを表示したくない場合は、前述したシェルフにブラシパレットを格納してみましょう。

他のユーザの感想を聞いてみるとブラシパレットはあまり評価が良くない様です。そういった方のために、ブラシパレットをスクリプトでボタンにしてカスタマイズしてみました。カスタマイズの方法は、「|ω・`)コソ―リ Blog」で公開されている無料スクリプトZBrushに追加するだけです。これで各ブラシを名前だけのボタンで表示することが可能になり、ブラシパレットを使い慣れた人や、ブラシの機能を覚えた人でも非常に使い勝手が上がります。


Figure4-5 シェルフ内のブラシパレット


Figure4-6 ボタン化したブラシパレット

個人的に、使い始めはデフォルトのブラシパレットを使用していたのですが、それぞれの機能を覚えてからは、スカルプトやモデリングのデフォルトのブラシパレットでは表示される領域が大きいため、キャンバスがいちいち隠れ若干の煩わしさを感じていました。現在では、先程紹介したスクリプトを使用してしているため、全てのブラシにアクセスでき、キャンバスが隠れないためより使い易くなりました。ただ、それぞれのブラシの機能を覚えなくても良く、直感的にアクセスできる点では、デフォルトのブラシパレットは非常に優れていると感じました。

複数のオブジェクトを扱えるサブツール

ZBrush2では、オブジェクトを一つしか扱えませんでした。なぜなら複数のオブジェクトを画面に表示した場合、先に作成したオブジェクトが背景となっててしまうからです。またZBrush2では、一度に複数のオブジェクトを扱えないため、他のCGソフトと連携して使用(モデリング、スカルプティング)する際に、対象のオブジェクトをexport->importという作業を繰り返しする必要がありました。しかしZBrush3では、「Subtool」という機能が搭載されており、これにより複数のオブジェクトを一度に扱える様になりました。


Figure4-7 背景化されるオブジェクト

先程、説明した「一度に一つしか扱えない」と言うことがどういうことかを上の画面を参考に簡単に説明してみましょう。まず初めにZBrushでキャンバス上に1のオブジェクトを作成します。次に2のオブジェクトを作成します。2のオブジェクトを作成した瞬間、2のオブジェクトは編集することが可能ですが、1のオブジェクトは背景化して編集することができなくなりました。こういった場合、ZBrush3.1の「Subtool」機能で、上の画像の1、2両方のオブジェクトを扱えるようになります。


figure4-8 subtoolの作成方法


Figure4-9 GrpSplitボタン


Figure4-10 分割されたオブジェクト

まず最初に、上の画像(Figure4-8)の様にtool->subtoolを選択し、「Append」を選択します。すると新たにオブジェクトを作成できる様になります。これがSubtoolの一般的な使い方です。この方法でオブジェクトを作成しない限り、最初に作成したオブジェクトが背景となって編集不可能となってしまいます。他にもSubtoolでは、オブジェクトを新たに追加して使用するだけでなく、UV設定が施されているオブジェクトにも使用することが可能です。UV設定が施されているオブジェクトは、「GrpSplit」を使用する事によってUV毎にオブジェクトをSubtoolのリスト内に分割してくれます。


Figure4-11 UVによって色分けされたオブジェクト

上の画像(Figure4-11)は、UV分けされたオブジェクトです。これにGrpSplitを行うと、右側の画像(Figure4-10)の様にリストにUVによって分離したオブジェクトが追加されます。これでUV設定したオブジェクトを分割してimportとexportを繰り返さなくても良くなります。これで分かる様に、Subtoolは非常に便利な機能です。

最後に「ZBrush Review part1」のまとめとして、今回のレビューの感想、総評をしてみましょう。

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