ZBrush Review part2(2)

2. ZSphereでモデリング

早速、ZSphereでオブジェクトを作成してみましょう。今回作成するのはデフォルメした人形キャラクターです。

タブレットよりマウス

ZSphereでモデリングを行う時は、タブレットではなくマウスでモデリングします。タブレットを使用してZSphereの作成を行うと、ねじれ等の不具合が発生しやすく、またタブレットの魅力である筆圧感知が、ZSphereでは意味をなさないからです。実際、タブレットを使用しモデリングを行うと、ねじれが発生しやすく、また修正もタブレットだと力加減が難いので、修正が難しい感じがします。それでは、早速ZSphereを使用しオブジェクトを作成していきます。

1. 親のZSphereをキャンバスに作成

まず最初に、親のZSphereをキャンバスに作成します。この時Shiftキーを選択sしたままキャンバスをドラッグすると、ZSphereがスナップされた状態(Figure2-1)で作成されるため、上下がきっちりと分かれ、こうすると今後、シンメトリーツール等を使用する作業が容易になります。また前ページの確認になりますが、ZSphereは濃い赤が上で薄い赤が下です。ZSphereを作成した後、オブジェクトの大きさをキャンバスに合わせるためショートカットキー「F」を選択します。


Figure2-1 スナップされた状態で作成されたオブジェクト

2. シンメトリーツールを使用し、左右対称にオブジェクトを編集

今回、作成するオブジェクトは「人」です。左右対称のオブジェクトを作成する場合、片方を作成し、残ったもう片方を作成するという方法がありますが、あまり効率的では無いので、今回はシンメトリーツールで、左右同時にZSphereを作成していきます。シンメトリーツールは、オブジェクトの中心座標を中点にリアルタイムで作業を反対方向に反映できます。ここでは、X軸を中心に作業を行うのでショートカットキー「X」を選択します。シンメトリーツールを使った場合、下の画像(Figure2-2)の様に反対側にポインタがもう一つ現れます。


Figure2-2 反対側に現れたポインタ

ポインタは、子のZSphereを作成するのに適したエリアを選択すると色が緑色に変わります。緑色のエリアでZSphereを作成すると、ねじれが発生しません。

3. 子のZSphereを親のZSphereに作成、移動

この段階では、ZSphere作成、移動を繰り返し大まかに人の形(Figure2-3)をかたどっていきます。誤ってZSphereを作成しても、Altキーを選択したまま、削除したいZSphereをクリックすると削除されます。


Figure2-3 大まかな人の形

ZSphereを使用してオブジェクトを作成した場合(Figure2-3)、ボックスからオブジェクトを作成した場合よりも、比較的早く最終的なオブジェクトの形が見えてきます。

4. 子のZSphereの追加、編集

先程の過程で、Figure2-3の様にオブジェクトの大まかな形を作成しましたが、まだまだオブジェクトの形が最終的な形になっていません。そこで先程作成したZSphereの間に新たにZSphereを作成し、間を補完していきます。中間地点にZSphereを挟む事で、新たにZSphereを作成した際に起こるねじれが起こらなくなります。親と子のZSphereの間の線(Figure2-4)をクリックすると、親と子の間の線に新たな子のZSphereを作成できます。また新たに作成したZSphereの大きさを、スケールモードで編集を行い、部分的なオブジェクトのディテールを編集していきます。


Figure2-4 ZSphere間の線

5. ポリゴン化したZSphereの確認

ZSphereでオブジェクトの作成を行いある程度形になってきたら、一度オブジェクトをポリゴン化し現在の形状を確認してみましょう。ポリゴン化したオブジェクトの形状の確認はショートカットキーの「a」を選択します。作成したオブジェクトは、まだ下の画像(Figure2-5)の様に、ZSphere状態なので他のCGソフトにエクスポートできません。他のCGソフトにエクスポートするには、「ポリゴン化」としてエクスポートします。ZBrushで、オブジェクトを3Dポリゴンオブジェクト化するには、従来通りMakePolish3Dボタン(Figure2-6)を選択し、ポリゴン化しますが、この時点でMakePolish3Dボタンを選択してまうと、ZSphereを編集する事ができなくなるため、前回のレビューで説明した様にペイントツールでの編集になってしまします。結論としては、MakePolish3Dは、最終的にオブジェクトの形が整ってから適用しましょう。


Figure2-5 ZSphere状態のオブジェクト


Figure2-6 MakePolish3Dボタン

6. ポリゴン化されたオブジェクトの設定

ZSphereをポリゴン化するには、どの程度のポリゴン数でポリゴン化するのか設定が可能です。先程作成したオブジェクトをポリゴン化するDivideのかかり具合を設定してみましょう。ポリゴン化の設定は Tool -> Adaptive Skin (Figure2-7)から行います。


Figure2-7 Adaptive Skin

個人的に、ZSphereは簡易的なオブジェクトを作成するためのツールとして使用しているため、あまり詳細な設定は行っていないので、とりあえずDensityの値を色々と設定してみたところ、ZSphereオブジェクトをポリゴン化した場合に、どの程度のDivideをかけた状態で作成するのかが設定できました。Figure2-8はDensityの値を「1」に、Figure2-9はDensityの値を「4」に設定してポリゴン化しました。


Figure2-8 Densityの値が「1」


Figure2-9 Densityの値が「4」

この様にZSphereの設定を行うことにより、他の3DCGソフトのオブジェクトへのエクスポートの連携が簡単になります。但し、Densityの値を上げすぎてしまうと、初期値のポリゴン数が多いためDivideをかける上限も低くなります。Densityはできるだけ低めでポリゴン化し、後の作業を従来のペイントツールで行うと非常に効率が良いでしょう。

以上がZSphereを使用したオブジェクトの制作方法です。以下でZSphereを使用しての疑問や問題点を扱っていきます。

ZSphereの問題点

さてここまで良い点ばかり挙げてきたZSphereによるオブジェクトのモデリングですが、使用する中で気になる点が浮かび上がってきました。

1. ZSphere間に「ねじれ」が生じる

繰り返しになりますが、ZSphereによるモデリングではねじれ(Figure2-10)が多々生じます。「ねじれ」とは、ZSphereを繋いだ時に繋いだ球体が360度以上回転してしまい、オブジェクトのポリゴン化の際にポリゴンがねじれてしまい破綻してしまう現象です。ボックスを変形させていくモデリングの場合、「押し出し」などの機能を使い、一部分を盛り上がらせて表現するため、この様な破綻は起こらないのですが、ZSphereによるモデリングの場合「球と球を糸で結ぶ」というイメージのためねじれが生じてしまいます。


Figure2-10 ねじれが生じたZSphere

ねじれが生じた場合、このZSphereを回転させての修正が必要です。修正は、一見簡単と思いますが、実際ねじれを修正するのは結構大変な作業になります。なぜならZSphere間の角度の異相が表示されないため、子のZSphereを何度回転すれば良いのかも分からなく、さらに右と左どちらに回転させるのかも分かりません。私の場合は、ねじれが生じた場合、一度子のZSphereを削除して子のZSphereを新たに作成し修正しています。

2. ポリゴン化した際にめり込む

ZSphereによるモデリングは、最終的にポリゴンオブジェクトになります。ZSphereをポリゴンに変換した場合に良く起こるのが「ポリゴンのめり込み」で、ZSphereオブジェクトを、近い距離で連続的に配置すると良く発生します。ポリゴンのめり込みが発生した場合、他の3DCGソフトにエクスポートし修正を行うか、ZBrush内のMoveペイントツールを使用して修正するしかありません。後者の方法だと狙った場所だけを修正するのは難しいので、前者の「他のCGソフトにエクスポートして修正」を行う方が結果的に良いと思います。

次はZBrushの最も特徴的な機能である、スカルプティングについて説明を行います。

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