宇宙機構が無人観測気球破裂実験に成功

宇宙航空研究開発機構は二日、福島県小野町の町民体育館で、成層圏を長期間飛べる新開発の無人観測大気球の性能を確認するため、限界以上に空気を詰めて破裂させる実験を行った。気球は標準の十倍以上の圧力に耐えたが、突然「バーン」と大きな音を立てて破裂し、樹脂膜の破片が飛び散った。

 気球の直径は一四・七メートルで、破裂実験としては国内最大規模。宇宙機構は五月に岩手県大船渡市の三陸大気球観測所で、より大きな気球を高度三十キロ以上まで飛ばす実験を行う。二〇〇八年度以降には、ブラジルから百日間で地球を三周させる計画だ。

 この気球は「スーパープレッシャー気球」と呼ばれ、飛行時には空気より軽いヘリウムを圧力を高めて注入する。軽くて強い樹脂膜の実現がカギとなるが、宇宙機構はメーカーと共同で厚さ〇・〇二五ミリの透明な五層樹脂膜を開発。木の葉状のシートを五十枚張り合わせてかぼちゃ形とし、重さ六一・九キロで仕上げた。

 樹脂膜は伸びないため、気球の大きさはほとんど変わらないが、圧力が高まるにつれ、張り詰めた状態に。標準圧力の二百パスカルに対し、二千八十九パスカルに達した時点で、天井からつり下げていた上部から破裂した。

 宇宙機構の山上隆正教授は「予定通りの実験結果で、本当にうれしい。破裂の仕方も設計通りで、製造工程に問題はなかった。実用化が近づいた」と笑顔で語った。