QuickTime Pro 6.5 レビュー

QuickTime Pro 6.5 レビュー

 

SimplePlayer→MoviePlayer→QuickTimePlayer→QuickTime Pro Player→QuickTime Proと進化してきたappleのplayer。

2004年6月現在のバージョンは6.5。


QuickTime6.5システム条件

[Windows]

Pentiumプロセッサを搭載したPC互換コンピュータ

128MB以上の実装メモリ

Windows 98/Me/2000/XP


[Macintosh]

400MHz PowerPC G3以上のプロセッサを搭載するMacintoshコンピュータ

128MB以上の実装メモリ

Mac OS X v10.2.6 - 10.3.x


v6.xで追加された主な機能は

MPEG-4 ISO 準拠ファイルの作成機能、ビデオコーデック

MPEG-4 ビデオにおけるレートコントロールの精度向上と画質の改良。

AAC 用のエンコーダとビットレートの設定項目の追加。

●DV でのエンコード、デコードにおける大幅なパフォーマンスの向上。

QuickTime Pro では、フルスクリーン再生での機能強化が行われている

(再生時のキーボードショートカットの追加、フルスクリーンへの素早い切り替え、再生速度の向上など)。

iTunes 4 を基本からサポート

●インスタントオンストリーミング機能

Macromedia Flash 5 に対応

●3rd Generation Partnership Project(3GPP)、3rd Generation Partnership Project 2(3GPP2

●音声コーデックAMR(Adaptive Multi-Rate) のサポート

●H.263ビデオコーデック

●映画スタジオ品質のコーデック、Pixletのサポート。(Mac OS X v10.3のみ)

Java v1.4.1のサポート

など。


再生機能紹介


サウンドコントロールで左右のBALANCE、BASS、TREBLEの値を9段階位の中から、ビデオコントロールで

は「明るさ」「コントラスト」「色合い」「カラー」を変更できる。


この辺りは割と細かく設定できるのでプレーヤーとしての基本機能は充実していると言える。

再生、逆再生、連続再生はもちろんタイムライン上で選択した範囲ののみの再生なども可能。

ホイール付きマウスを使うと数フレーム単位コマ送り、戻しができる。

やや編集寄りの機能になるが現在の位置をポスターフレームとして記憶し、ただちにそのポスターフレームに移動することもできる。

連番画像ファイルをムービーとして読み込む場合は「イメージシーケンスを開く」メニューを使う。

ただ、無償プレーヤーであるQuickTimePlayerは肝心のムービーのフルスクリーン表示はできない。

Proにアップグレードするのは編集に使いたいというユーザーが大半だと思うので無償版でも主に観賞用途のフルスクリーン表示には対応して欲しかった。

ムービー、オーディオ、画像、ストリーミングなどのうちの多くの形式を再生可能。

豊富なサードパーティー製プラグインがそれを助けている。

.rmや.wmaなどは再生不可。




また、MPEG-2の再生にも注意が必要。

Proにアップグレードした段階では再生できないが別売のQuickTime MPEG-2再生コンポーネントを購入することで再生できるようになる。

しかし、このコンポーネント、どうやら映像のみのデコードのようでPCMやAC3といったDVD-Videoで採用されている音声フォーマットは再生できないのである。

これが手に入るのは購入以外ではFinal Cut Pro HDをインストールした場合。

なお、以前のバージョンでインストールしたQuickTime MPEG-2再生コンポーネントなどは無効になる。



その他にも様々なコンポーネントで幅広く拡張できるのもQuickTimeの魅力。

Mac OS Xコンポーネントが格納されるディレクトリは以下。

/System/Library/QuickTime/:Apple純正

/Library/QuickTime/:Apple純正以外




編集機能紹介



QuickTime Proでは難しいメニューなどはなく、直感的な編集が可能。

主な手順としては、ファイルを読み込む

マウス、ホイール、キーボードなどで「始点」と「終点」を操作して範囲選択、「カット」でそこが切り取られ、「コピー」で複製、「トリム」で選択範囲を残して他を削除、拡大、縮小

完成したものを書き出して保存といった流れ。


基本的には必要のない部分をカットし必要な部分をつなげるという作業。

コピーまたはカットされたムービーは、ペースト先の現在位置に挿入される。一つのムービー内で不要な部分を削除したり、「カット」「ペースト」でムービー内の順序を入れ替えたりするのはもちろん、ほかのムービーファイルから「コピー」「ペースト」することも可能だ。

メニューにある「編集」内の「追加」を使えばペースト元のデータを失う事なく付加することができる。

例としては、オーディオのないムービートラックにオーディオを「追加」しムービーを作成するといった具合。

「拡大・縮小して追加」では追加先の選択範囲に「コピー」「カット」したものの長さを合わせて追加することが可能。追加先の選択範囲が「コピー」「カット」したものよりも長ければスロー再生に、短ければ早送り再生になる。


エフェクト等はつけることが出来ないが、動画、画像、音声の数多くのフォーマットを扱えるので深く考えずに手軽にムービーを作れる。

また、普段ムービーとして扱わないmidiやテキストファイルもムービーとして作成することができる。

完成したムービーを書き出して保存する際に選べるフォーマットはいくつかあるが、

これは用途次第で選択するといいだろう。


QuickTimeコンポーネントを入れて書き出す場合も数多くのコーデックが使用できる。


いくつかあげてみると以下のようなものがある。


DivX

http://www.divx.com/

画質はかなり良いがエンコードに時間がかかりすぎるのが難点。

DivX5ではDivX4よりさらに圧縮率が10%あがっている。


Xvid

http://www.xvid.org/index.php

OpenDivXを元に開発したコーデック。


3ivx

http://www.3ivx.com/

DivX開発者が関わって開発されたものでMpeg-4を改良した独自形式。

エンコードも早く高圧縮である程度画質も保たれる。

macで使う分には互換性に優れている。


Sorenson Video

http://www.sorenson.com/

AppleのMovie Trailer(http://www.apple.com/trailers/

でも使用されてるコーデック。

Sorenson Video 3 Pro Codecは、QuickTimeで標準採用されている「Sorenson Video 3 Standard Edition」とは異なり、2-passVBRが可能。


Pixlet

PixarAppleの共同開発、フィルムやHDTVといった業務用ビデオ編集のための圧縮技術。

Wavelet解析を利用し圧縮するためMPEGでよく見かけるブロックノイズなどは発生しない。

ファイルサイズがかなり大きくなる最高品質以外では他コーデックの方が画質的に上。

フルサイズ以上の大画面ムービー向けで編集用製作用といった感じ。


今回は更にQuickTime Pro 6.xで強力にサポートされているMPEG-4や3GPについても紹介したい。

MPEG-4は1998年に最終承認され、2000年に国際標準規格となった規格で、国際標準化機構(ISO)内のワーキンググループのMoving Picture Experts Group(MPEG)が策定したもので、ISOはMPEG-4の基本としてQuickTimeファイルフォーマットを採用している。

また、携帯電話などのワイヤレス機器に向けた高品質なマルチメディアを規定する3GPP(3rd Generation Partnership Project)と3GPP2(3rd Generation Partnership Project 2)の基盤はMPEG-4である。

MPEG-4コンテナの構造がQuickTime形式であるmovなどに限りなく近いのはこういった理由から。

また、MPEG-1/2はMPEG-4はコンテナの構造が根本的に違う。

QuickTimeProはMPEG-1/2のような映像とオーディオが同じトラックに

混在するようなタイプの動画の編集が苦手で、再生ですら問題が出ることがある。

MPEGの音声部分を扱えないので一度オーディオトラックを分離してAIFFなどに変換、エンコード後に付加しなくてはならないあたりが不便。

MPEG-4ではコンテナだけの移し替えなので時間のかかるエンコードを伴わないので

MP4やAACエンコードしたQuickTimeムービーがそのまま一瞬でMPEG4ムービーに出来る。

ビデオは最大2048キロビット/秒、オーディオは最大320キロビット/sまで選択可能なので容量にこだわらなければ他のMPEGに劣らない高画質でエンコードすることもできる。



.mp4よりさらに携帯端末向けの.3gpではビデオのコーデックはMPEG-4だけでなくH.263も選択することができる。

H.263はストリーミングなどで使われており、低データレートでも優れた画質を維持できるコーデック。

オーディオはミュージック用とされるAAC-LCかスピーチ用のAMR-NBから選択できる。どちらも効率的に音声を圧縮し、クオリティも保ってくれる。

ストリーミングなどに向いている形式であるが、携帯電話などでストリーミング再生したい場合、各キャリアの仕様にしたがって


などとする必要がある。



総評

QuickTimeProを使わずにMPEG-4ムービーを作成しようとすると意外にも大変で、手軽にコンテンツを作れるという点では非常に便利だと感じた。

携帯電話での動画再生、ビデオ送受信やインターネットでのストリーミングの需要も増えており、MPEG-4/3GPのシェアも確実にのびている。

そのコンテンツを作るためにエンコーダーとしてQuickTimeProを選ぶユーザーも多い。

2004年6月現在、2億5千万件のダウンロードのなかで95%以上はWindowsPCによるものだそう。

QuickTime7で追加される予定のH.264コーデックも普及に一役買いそう。

今後の動向が楽しみである。