Glu3Dレビュー

glu3D report

glu3Dを試してみました!

最近のCMや映画などで当たり前のようにCGが使われていますが、その全てが手付けで行われている訳ではなく、物理的にシミュレーションを行い、自然現象を擬似的に表現しているものもあります。今回は、そのシミュレーターの1つである

"glu3D" を試してみました。

概要

glu3D は流体シミュレーションプラグインです。蛇口から出る水道や滝などはマテリアルを工夫することで見た目は水の流れを表現できますが、たとえば、グラスにワインを注ぐ、石にぶつかった水が弾ける、などと言ったシーンを作りたい場合には、手付けのアニメーションではディズニー顔負けの観察力と膨大な時間が必要でしょう。しかし、これらをコンピューターに力学的に計算させることで、自然現象の振る舞いを擬似的に再現することが、短時間で手軽にできます。

流体シミュレーションで有名なプラグインには NEXT LIMIT社のRealflow

がありますが、こちらは約19万円 (Ver. 2.5)なのに対して、glu3D は約3万円です。機能の充実度や、精密さなどでは見劣りするでしょうが、glu3Dのギャラリーを見たところ、工夫次第では問題なく実用に耐える性能を持っていると思います。この値段を高いととるか安いととるかは使い手の工夫次第でしょう。glu3D

のサイトからはデモバージョンがダウンロードできるので、興味のある方はまず試用してみることをおすすめします。

glu3D プラグイン3ds Max用と Maya用の2種類あるので、それぞれプラットフォームにあわせて選択できます。今回は、3ds Max上で試用してみました。3ds

Max 5 以降は物理シミュレーターとして Reactor が標準で入っているので、それらを組み合わせることで、勢いよく流れ出た水が障害物を押しのける、といった表現も可能です。オフィシャルサイトには、デモファイル、サンプルファイル、ギャラリー、チュートリアルビデオが用意されています。それらを利用すれば、とりあえず試すに当たっては、それほど時間はかからないと思います。

とりあえず水っぽくしてみる

とっかかりとして、とりあえず流体ということなので、水らしきものを作ってみたいと思います。まず、glu3Dのシステムをメインパネル内ジオメトリのプルダウンメニューから呼び出します。

 

呼び出すと、glu3Dボタンが出てくるのでプッシュ。すると、次のような画面になります。

glu3Dシステムの基本的な設定は、"glu3D" と紫色で描かれたオブジェクトをクリックすると出てくるパネルで行えます。

glu3Dは起動するとデフォルトでこのようなシーンを作ってくれます。パラメーターパネルの "Go!" を押すとパーティクルの計算が行われます。次に、"Build

Surface"ボタンでパーティクルに基づいたサーフェイスの構築が行われます。基本的にはこれだけ。他の設定は、これ以上に細かく要求を出す場合に使われます。

で、できたシーンがこちら。

ちなみに、このシーンの計算にかかった時間は、80フレームで、パーティクルの計算に、PentiumIII 1GHz、メモリ 384MBで16秒、サーフェイスの構築に6秒です。

あとは、マテリアルの設定をすると、こんな感じに。

ちなみに、ここまでかかった時間は、約5分です。マテリアルは付属のサンプルを使ったのですが、たった5分でこれだけ水っぽいものが簡単に作れるので、本当に手軽です。

もうちょっとつっこんで。

簡単とはいえ、詳細な設定を全て説明すると何ページにもわたるので割愛しますが、もうちょっとつっこんで、実験してみました。glu3D のパーティクルは他のオブジェクトに対して衝突させることができます。ということで、U字パイプに流し込んでみました。

もう少しで押し出すことができたのですが、きちんと衝突判定を持っています。また、液体の圧力で、出口へと押し出されている様子が分かります。この圧力や、流量、粘性などを詳細に設定することで、イメージしたシーンをつくる訳です。

また、面白い機能がありまして、次のようなことができます。

ちょっと分かりにくいですが、オブジェクトをパーティクルに割り当てることができるので、イメージでは宇宙人らしきオブジェクトを割り当てたのですが、流体として流れる方向へパーティクルとして飛び出しています。この機能の応用例として、おもちゃ屋さんでぬいぐるみの箱をひっくり返し、流れ出るぬいぐるみ、といったシーンなどを作ることができます。ぬいぐるみ同士の衝突による回転などは考慮すべきでありますが、一例として。

さいごに

個人のクリエイターであれば、この機能でこの価格は十分なのではないでしょうか。安価なクロスシミューレーターと同じような位置づけで使うのであれば、glu3Dはその選択肢として十分な表現力を持っていると言えるでしょう。どのソフトにも言える事でしょうが、おそらくReactorもそうだと思いますが、やはり重要なのは工夫であり、そういった面では、glu3Dは申し分ないポテンシャルを持っていると思います。日本語版のマニュアルも出るようですし、ホビーユースとしてもプロユースとしてもコストパフォーマンスの高いソフトだと思います。