final Render レビュー [Volume Light編]

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ETC Review
Review for Volume Light finalRender Stage-1
発売: 株式会社ボーンデジタル
定価:112,000円+消費税


0.はじめに

大域的な光の拡散をシミュレートする方法として代表的な方法にはグローバルイルミネーション (以下GI)とラジオシティがあります。 ラジオシティ法はレンダリング前の情報収集結果に依存する部分がある 一方で、ファイナルレンダ―のGIは常に全プロセスが並列に動作しています。 そのため、これら並列の計算を多くのCPUに分配する事でCPUの数だけ レンダリングを加速させる事が出来るという 大きな利点を持っています。 また、レンダリングプロセス自体に無制限な拡張性を持たせられる事もGIの利点と言えますね。

今回はこのファイナルレンダ―のGIを用いたボリュームライトについてレビューを書きたいと思います。
霞や、霧、ほこりによる光の散乱は人の目には光の筋のように見えます。
ボリュームライトはそのような光の差込みや霞んだ大気光などのドラマティックなシーンを作る事が出来ます。
それらを表現するために 「窓からの日差しに照らされた古いソファ」のシーンを今回は考えてみました。



シーン作りとして雰囲気のある古びた木造の物置のような部屋を用意しておきました。 窓は簡単な鎧板のようになっているので、この鎧板の隙間から太陽の日差しが入るようになっています。 部屋の窓辺の近くに置いたソファにはレザーのテクスチャを、部屋の組み立てに使ったオブジェクト全てに木のテクスチャを 用いて全体的に色のトーンを落とした感じになっています。 ライトはキーライトとして指向性ライト(Target Directional Light) 1つ、 フィルライトとしてオムニを1つの計2個のみです。



まずは既定値のスキャンラインでレンダリングしてみるとこうなりました。



床に太陽の光が落ちてはいますが光の差込んでいる筋がうまく出ていません。窓から入って来た光なのか、 天井から差し込む光なのか、このままでは分かりくいですね。



1.レンダラーの設定
現在のレンダラーにfinalRender stage-1を指定。 シーンに存在する2つのライトは共にfR-Shadow Mapに設定しておきます。 温かみのある太陽の光にしたいので少し黄色のかかった色にしました。




Global Options, Global Illumination で以下のように設定していきます。 今回のシーンはそれ程ディテールが細かくないのでアンチエリアシングのBucket Sizeは 32で十分だと思います。このあたりの設定は最終的な仕上がりとレンダリング時間を考慮して 設定を組んでいきます。



クリーンなイメージを得る為に単純に光線の数を多くしてしまう事は、それだけ処理すべきデータが 大きくなり必要以上にレンダリング時間をかけてしまうかもしれません。最小のレンダリング時間で 最も効率的な結果を得るためにも最適化は重要です。



GI を用いてレンダリングした結果はこうなりました。 先ほどの標準レンダリングに比べてシーン全体が明るくなりました。 これはファイナルレンダ―のGIによって大域的な光の散乱の計算が行われたためです。 未だ、この時点で光の筋は出ていません。



2.環境効果&効果
指向性ライトの設定をしていきます。 ライトを選択してパネルの[環境効果&効果]でfR-Volume Lightを 追加しました。
FogColorに指向性ライトで設定したような黄色のかかった色を 設定してやります。



とりあえず他の設定はこのままデフォルトでレンダリングすると このようになりました。



先程のGIだけの設定での結果に比べて、全体的にトーンは暗くなりましたが 差し込む光の霞み具合が増したのが分かると思います。
さらに、Volume: で densityの値を5.0 ---> 10.0 に変えてみました。



レンダリング結果から分かるように光の密度が先程に比べて 濃くなっているのが分かります。



次に、Luminosityの値を0.0--->3.0に変えてみました。



レンダリング結果はこんな感じです。



結果から分かるように、光の強度が強くなっているのが分かります。 このLuminosityでボリュームライト効果にピクセルブレンディング処理を加える 量を設定しています。光の強度はこの値で決定されます。
仕上がりの出来から Luminosity = 0.3 , density = 10.0 でレンダリングした結果はこうなりました。




最終的に完成したのがこちら。



[感想]

GIの設定において仕上がりだけでなく「レンダリング時間の短縮」というものは大きな課題であるのは 事実です。これを解決するには基本的概念を理解する事と最適化に尽きる訳ですが、 機能も設定も多いファイナルレンダ―を、思うがままに使いこなす事はやはり難しい。 ただ、これは3DCGだけでなく物事全般においてそうである様に、「慣れ」や順を追って理解して行く事で 乗り越えられる、と最近思うようになりました。 ファイナルレンダ―の中でも今回のボリュームライトは設定もスムーズに出来た上に、 レンダリングも高速であったので今回は前程「難しい」とは感じませんでした。
GIレンダリングプロセスのスピードと質をパラメーターに よってコントロール出来る優れたインタフェースを持っているのだから、これをうまく使いこなしてこそ、 このレンダラーの良さが発揮出来るのだと思いました。
テキストを開く労力を厭わなければ、ゼロからファイナルレンダ―について学ぶ価値は十分あると。 それだけ優れたレンダラーだと評価できると思う訳です。

ファイナルレンダ―好きの自分としてはこんな評価です。
[総合評価]

レンダリング時間:★★★★★
使いやすさ:★★★☆☆
ドラマティック度:★★★★★
コストパフォーマンス:★★★★☆
満足度:★★★★☆



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